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    December, 2006

    2006年MVP

    昨日とは別に作品のみならずその存在自体が年間ベストなアーティストを3組挙げたいと思います。

    Para Oneは自身渾身のアルバムEpiphanieの充実した出来映えもさることながら、
    とにかくフロアにおける一曲の破壊力が凄まじかったです。
    様々なジャンルにわたる著名なDJ達がこぞって彼の曲を回している現場に今年一年何度遭遇したことか。
    怒涛のような勢いでこなした外部仕事も原曲が霞むほどのクオリティを誇っていました。
    remixであのダフトパンクを霞ませるなんてそうそうできることじゃありません。
    一聴するとエレクトロと呼ばれる音楽に属するように思えますが、
    そこにはHIP-HOP, Acid House, IDM, punkrock等さまざまな要素が感じ取れます。ま、陳腐な表現ですが。
    そしてキ○ガイ寸前のハイテンションを抜群のポップネスでくるみ、フロアをダンスの坩堝にしてしまうのです。
    機能性の高さと音楽性の高さが、そしてなによりもフロアを愛する全ての人に彼の音楽は実にオープン。
    来年は来日も予定されているようで楽しみでなりません。

    2006年もKiller Bongは質量共にブッ飛んだアートを吐き出しまくりました。
    特に今年は自主作品も含めてコンセプチュアルな作品が多かった様に思います。
    それはハウスであったりシネマティークであったり。そしてそれを象徴するキーワードがDUB。
    Tokyo DubとMoscow Dubの2枚のアルバムはどちらも世界に誇る最高の出来映えでした。
    彼ほどジャンルレスと言う言葉が似合う音楽家はそうそう居ないと思います。
    MCとしての活動も外部仕事で引っ張りだこ。
    あの声で意外と曲を壊さない辺りが彼の非凡さを表していると思います。
    コラージュアートブックを出版するなど、活動の幅は留まることを知らない勢いです。
    今後もしこの活動内容が解体再構築されて吐き出されるとしたら、
    それはネクストレベルの興奮を伴って俺らに襲い掛かってくることでしょう。

    そして2006年度MVPはOlive Oilです。
    1stアルバムFull of special memories, Sloal One名義でのアルバムWho I am?,
    そしてMC FreezとのユニットEl NinoのアルバムPeople called El Neetpia。
    一年間に3枚のクラシックアルバム連発。どれも間違いのない力作です。
    幾度となく触れてきましたが、複雑でいて力強いビートにカラフルで厚みのある上モノ、
    それらが渾然一体となってフォースと化し独特のグルーヴを生み出す。
    極めつけはフックの強い毒気を含んだポップなメロディ。
    そのプロダクションは群を抜いたオリジナリティを備えています。
    それに加え尋常じゃない量のライブパフォーマンスをもこなし続け、
    特にkaikoo vol.2でのパフォーマンスはピンクフロイドを想起させる程の素晴らしさでした。
    盟友でもある映像作家poppy oilの生み出すグラフィックと彼の音が重なると破壊力は何倍にも跳ね上がります。
    それを表す言葉を持てないのがもどかしいほど素晴らしい。2006年は誰を置いても彼です。間違いない。

    そんな早漏スタイルで今年を振り返ってみました。
    来年も素敵な音楽にめぐり合えますように。
    皆さん良いお年を。
    PEACE
     
    December, 2006

    2006年間ベスト

    今年も数多くの胸躍る素敵な音楽と出会えました。
    ただ列挙するだけですがまとめてみたいと思います。
    文章の途中に画像貼るやり方わかんないんですよねぇ。。。スキル無しで申し訳ないです。

    arctic hospital / Citystream
    Jel / soft money
    Helios / Eingya
    asuna / room note
    DJ klock / san
    DJ Baku / spinheddz
    Juggaknots / use your confu?ion
    kenji fujita / magnetic pikgrimage
    Scone /maze
    Ruxpin / Elysium
    N&P / pan con
    swanky swipe / Bunks Marmalade
    Coe-la-canth / swim stance
    siphon code / わすれもの
    cappablack / facades & skeletons
    Dosh / the lost take
    Lupe Fiasco / Lupe Fiasco's Food & Liquor

    arctic hospitalは今年一番回数聴いた作品かもしれません。
    いわゆるIDMと呼ばれる音楽の素晴らしい点の一つである美しい電子音、
    それを4つ打ちというシンプルなダンスビートに乗せた絶妙のプロダクション。
    ミニマルミュージックへの興味をも開いてくれた思い出深い傑作です。

    今年もエレクトロニカと呼ばれるジャンルの音楽を良く聴きました。
    とくにHeliosの作品にはその良さが凝縮されていると思います。
    scone, ruxpinの作品にも通じて言えることは
    丁寧に作られたものは例え方法論として新しくなくとも確実に聞く者の胸を打つと言うことです。
    彼らはそれを全く怠っていない。大きなリスペクトを送りたいです。
    そしてDoshに藤田建次はそこに生音の要素を大きく取って、違った質感の音楽を聞かせてくれました。
    Doshの作品からはこのメロディにはこの楽器のこの音しかないとさえ思わせてくれる瞬間が何度もあり

    それはアルバム全ての曲に通じていえることでもありました。
    また藤田建次の奏でる優しげなサイケデリアは今後さらなる深みを増して行くことでしょう。

    DJ Klockはようやく自身の音楽に時代が追いついた感のある感動的な作品を残してくれました。
    相変わらずやり過ぎな点も多々あるのですが、彼のある意味苦難の道のりはここで1つの到達点を見たのではないかと思います。
    DJ Bakuもkaikooと言う大イベントとあわせてますますの活躍を期待できる存在です。
    どちらもターンテーブルを通じて様々なジャンルを飛び越え、アートの領域にまで踏み込んで行きました。
    そしてそこには確実にストリートや身近な生活の匂いがあるのです。

    cappablack, Juggaknots共に10年近くの歳月を越えて新作をドロップしてくれました。
    その飢餓感を差し引いてもどちらも素晴らしい出来映えでうれしい限りでした。
    cappablackは圧倒的なまでの緻密なビートメイクがなされているにも関わらずどこか荒削りにさえ聞えるという

    伸びシロの多い深みのあるビート群を列挙してくれました。これは本当にすごいことだと思うのです。
    Juggaknotsは英語のわからない俺にも心底カッコ良いと思わせてくれるラップが全編唸りまくる至極のラップアルバムです。
    こんなフロウとライムを駆使する奴らはどこにも居ない。そしてそれはLupe Fiascoも同じです。

    Jelは音楽的に拡散しすぎてその在り方が希薄にすらなってきているAnticonの中で大いに気を吐いてくれました。
    乱暴な言い方をしてしまうと、彼の叩き出すビートがある限からこそ蟻さん達は冒険ができるのだと思います。
    そして音楽そのものが冒険と化しているasuna。エクスペリメンタルと呼ばれる音楽の取っ付き難さを払拭できる重要人物の一人です。

    日本語ラップも今年は良作ぞろいでした。
    シーラカンスのもつ軽やかなタフネスは、大阪という地域性に留まらない瑞々しい可能性に溢れています。
    可能性で言えばsiphon codeの持つポップネスと実験性はこの作品で終わるには余りにも惜しい。

    ぜひ活動の継続を願います。
    swanky swipeの持つ不良性は紋切り型のマチズモを歯牙にもかけない人間臭さが漂っています。
    これは声を大にして伝えたいのですが、HIP-HOPにありがちな暴力的な表現を嫌う人にこの作品がスルーされるのは我慢ならないのです。
    現時点で間違いなくトップランクのMC、Besのラップをぜひ一度耳にしてほしいと心底願います。
    そしてN&P。日本語ラップも良くも悪くも時間を重ねて来た中でとても感慨深い作品を残してくれました。
    バトル要素の強いHIP-HOPですが、勝ち負けの負けの部分を飲み込んだ等身大の声がPan Conには詰まっています。
    確かに地味かも知れないけど、切なさと少しの勇気を持って素晴らしい作品を作り上げた彼らに最大級の敬意を。

     

    そして真打は後ほど。to be continue...

     

    December, 2006

    半年ぶり

    Hurry. Hurry, Right this Way...の復活を祝して。
    音楽への愛に満ちた文章をぜひ堪能して下さい。linkから行けますよ
     
     
    川口貴大 a.k.a rereと言うアーティストを紹介したい。
    いわゆるフィールドレコーディングの手法を主軸に音楽製作をしている人だ。
     
    俺自身その手法を用いた音楽に特別詳しくもなく、また関心が高い訳でもないのだけど
    ちょっと彼の曲は趣が違うのだ。この手の音楽にありがちな小難しさや、鼻につくアカデミック臭がほとんどない。
    まあ、ヘッドフォンで聞くのが望ましい等の制約は多少あるんだけど。
     
    鳥の鳴き声だとか、涼やかな流水の音、大空を飛ぶ飛行機の音、雪を踏みしめる時の音。
    それらを重ねて聞かせることで、身の回りにはこんなにも音楽的な響きに満たされているのだと気付かされる。
    ぶっちゃけ普段の生活の中でそんなこと感じたりはしないけどな。
    少なくとも俺は下世話でカツカツな日々を送る者であるし。
    ただ彼の手にかかると、例えばいまこれを読んで頂いているあなたのPCの駆動音でさえ音楽的な響きを湛え始めるのだ。
     
    機械式時計の運針音をビートに鳥のさえずりや川のせせらぎを聞く。
    たまに車が走り去る音や、電子音楽的な加工が施されたりして。
    そんな日常的な音を使いながら、非日常の情景を喚起させられたり。
    なかなか新鮮な体験であります。
     
    一度彼のライブを見た事があるのだけど、
    試験管やシャンパンフルートなどに小型マイクを差込み、グラスをはじいたりして音を拾って演奏をしていた。
    それはとても繊細な作業で、ちょっとの手違いで直ぐにハウリングをおこしてしまうし、
    不慮のドアの開け閉めで音はかき消されたりする。
    それはある意味スリリングな体験であり、自分の耳で拾った音は儚くも聞きなれない不思議な音色だった。
     
    どんなものでも音楽になりえると言った当たり前のことが、目の前で、そして部屋のシステムから鳴らされる。
    そんな体験を一度試してみてほしい。